会社設立をするときに行うべき手続きを解説
会社を設立するためには、定められた手順を正確に完了させる必要があります。
適切な準備を怠ると、事業の開始が遅れるだけでなく、取引先からの信用を損なう恐れもあります。
今回は会社設立をするために行う必要のある手続きについて解説します。
会社設立の準備段階
会社設立定款作成や登記を行う前の準備段階として以下を決める必要があります。
商号の決定
会社の名称である商号を決めます。
商号を決める際は同じ名称の会社がないかを確認してください。
同じ本店所在地での同一商号は禁止されており、特に本店所在地を管轄する市町村などの最小行政区域で取り決める場合などには、社名調査を行うことは必須となります。
不正な目的を持って他社と誤認させるような名前は不正競争防止法に抵触する恐れがあるため、慎重な判断が求められます。
事業目的を定める
会社がどのようなビジネスを行うのかを具体的に定めます。
事業目的には、営利性、適法性、明確性が求められます。
許認可が必要な事業を行う場合、定款の目的に特定の文言が入っていなければ、行政庁からの許可が下りないこともあります。
将来的な事業の広がりも見越して決定すると良いでしょう。
本店所在地の決定
会社の住所を決めます。
郵便物が確実に届く場所であることに加えて、将来の融資審査において実態がある場所か否かという視点で見られることも考慮すべきです。
資本金の確定
会社を運営するための軍資金となる資本金の額を決めます。
誰がいくら出資し、何パーセントの議決権を持つのかを確定させることは経営の支配権を維持するために欠かせない役割を担っています。
取締役の決定
会社の経営を指揮する取締役を誰にするのか、その人数や役員の任期を具体的に決定する必要があります。
選任された役員は登記簿に記載されます。
代表取締役を定めることで、対外的な契約における責任の所在が明確になります。
決算月の決定
1年間の会計期間を締めくくる決算月は事業の繁忙期などを考慮して決定します。
また、設立月からもっとも遠い月を決算月に設定することで、消費税の免税期間を最大化することが期待できます。
会社設立の手順
会社についての基本事項が決まったら、法的な手続きを含む手順へと進みます。
具体的には、次のようなことに取り組む必要があります。
会社の印鑑の作成
法務局への登記申請には、会社の代表者印の登録が必要です。
通常は以下の3つを作成することが多いです。
- 代表者印:登記や重要な契約に使用
- 銀行印:金融機関の口座開設に使用
- 角印:請求書や領収書などの日常業務に使用
定款の作成
定款とは会社の概要を定めたものです。
定款には、必ず記載しなければならない以下の絶対的記載事項があります。
- 商号
- 目的
- 本店所在地
- 設立に際して出資される財産の価額
- 発起人の氏名及び住所
- 発行可能株式総数(株式会社の場合)
これらを正確な言葉で記述し、書面又は電子データとしてまとめます。
公証役場での定款認証
株式会社を設立する場合、作成した定款を公証人に確認してもらう認証が必須となります。
これにより、定款が正当な手続きで作成されたことが公的に証明されます。
出資金の払い込み
定款の認証が終わったら、出資者が自分の個人口座に資本金を振り込みます。
入金が確認できたら、その通帳の表紙、見開き、入金箇所のコピーをとり、代表者が払い込みのあったことを証する書面を作成して綴じます。
これが、登記申請において資金が確かに存在することを証明する資料となります。
登記申請
登記申請書を作成し、本店の所在地を管轄する法務局へ書類を提出します。
登記申請書を提出した日が、会社の設立日となります。
提出後、1週間から10日程度の審査期間を経て、登記が完了します。
申請書に不備があり補正の連絡が届いた場合には、申請内容を修正する必要があります。
会社設立に伴う届け出
登記が終わったら、会社が設立されたことを報告しなければなりません。
国税に関する手続きとして、以下のことがあります。
- 法人設立届出書(設立から2ヵ月以内)
- 青色申告の承認申請書(設立から3ヵ月が経過する日と最初の事業年度末日のいずれか早い日の前日)
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(給与の支給人員が常時10人未満で、源泉所得税を7月と翌年1月に納付することを選択)
都道府県や市区町村に対しても、法人設立届出書を提出します。
さらに、年金事務所には、設立から5日以内に届け出る必要があります。
従業員を雇用する場合には、労働保険の手続きが必要です。
法人口座の開設
会社の登記事項証明書や印鑑証明書を持って、銀行などの金融機関へ法人口座の開設を申し込みます。
事業計画書を提示したり、ウェブサイトの内容を充実させたりすることが、事業の実態を明確に伝えるために有効です。
許認可の申請
特定の事業を行うには、警察署や保健所、都道府県知事などの許可が必要になります。
登記が完了した後に申請が可能になるものが多いため、営業開始日に間に合うよう逆算したスケジュール管理が重要になります。
まとめ
今回は会社設立をするためにするべき手続きについて解説しました。
会社設立の際には、多くの手続きが必要となります。
税務上有利な選択をしたり資金調達の成功率を高めたりする方法を探している方は早めに税理士に相談してください。
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美藤 直人(びとう なおひと) / 公認会計士・税理士
大手監査法人での豊富な実務経験と、企業支援・相続・事業承継まで幅広い支援実績を持つ公認会計士・税理士です。
金融庁勤務や上場企業の社外役員など、多角的な視点で経営をサポートしています。
皆さまの『良き経営アドバイザー(軍師)』を目指して
ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
公認会計士・税理士の美藤直人(びとうなおひと)と申します。
私は1991年に公認会計士試験(旧第2次試験)に合格後、大手監査法人に勤務していましたが、2011年に税理士登録して当事務所を設立し、企業・個人事業者であるお客さまに対してご事業の発展をサポートするアドバイザー‘軍師’であり続けたいと考えて業務を行ってきました。
物価や金利の変動など経済環境が大きく変化する今、経営にはこれまで以上に柔軟な判断と確かな戦略が求められています。公認会計士・税理士として、経営者の皆さまの意思決定を支え、安心して事業を発展させていけるように全力でサポートすることが、私の真の仕事であると考えています。また、『史記』(中国前漢の武帝の時代の歴史書)に「計は会なり」という言葉が初めて表れたのが「会計」という言葉の始まりだと言われています。この「計は会なり」は「各方面の現場の真実を正しく報告すれば、ビジネスの価値が増大する」という意味であり、私が公認会計士・税理士として「会計」のお手伝いをすることが、お客さまのご事業の発展に通じることになります。
お客様の発展を自分の喜びとし、信頼される‘軍師’として法令に基づいた節税と経営サポートを行ってまいります。
今までの実務経験を活かしながら、「お客さまとともに成長する」ことを大切にし、起業支援、個人事業者の法人成り、創業融資、補助金の申請、税務申告(法人税、所得税、消費税、相続税など)、事業承継、事業再生、事業計画の作成支援、M&Aの買収調査まで幅広くお手伝いをしています。
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