生前贈与による相続税対策は認知症発症後でも可能?

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生前贈与による相続税対策は認知症発症後でも可能?

日本は認知症患者数の割合が最も多いといわれている国です。

認知症になると行為に制限がかかるため、高齢の親がいて生前贈与を検討している方は、さまざまなケースを考えておく必要があります。

そこで本記事では、認知症を発症した場合の生前贈与の可否や注意点を解説します。

認知症になった人が生前贈与はできるのか?

意思能力のない人による法律行為は無効と判断されます。

生前贈与を含む贈与は法律行為の一種であるため、認知症発症後は意思表示できる能力がないとされ、生前贈与は無効となります。

しかし、認知症発症後に生前贈与を全くできないというわけではありません。

意思表示能力の有無が重要視されているため、認知症が軽度な場合は生前贈与が可能なケースがあります。

その場合、主治医の診断で意思表示能力の有無を判断します。

認知症を発症した後で生前贈与をするときの注意点

認知症になった後で生前贈与をするときは、まず主治医による診断を受ける必要があります。

主治医から、贈与契約を結べる程度の意思表示能力がある、と証明できる診断書を作成してもらわなければいけません。

主治医による診断書がない場合、生前贈与が否認される可能性もあるため注意してください。

診断書を取得したら、時間を置かずに生前贈与を行うことが大切です。

診断を受けた際に意思表示能力があると確認できたとしても、時間が経てば認知症が進行してしまうかもしれません。

診断書の作成から1カ月以内がひとつの目安といえるでしょう。

そして、贈与は口頭でも成立しますが、後々の揉めごとを防ぐためには贈与契約書を作成するのが理想です。

特に認知症発症後の生前贈与では、双方の合意に基づく贈与であると明らかにし、証拠を残すために贈与契約書を作成した方が良いでしょう。

生前贈与は早めに行うべき

認知症を発症した場合、限られた条件でしか生前贈与を行うことができません。

たとえば、毎年110万円までは贈与税が非課税となる暦年贈与は、認知症が進行して意思表示能力が亡くなってしまう可能性を考えると、長期間の生前贈与なので利用しにくいでしょう。

また、贈与されてから7年以内に贈与者が亡くなってしまった場合は、暦年贈与はなかったものとみなされ、相続された財産は相続税の課税対象とされます。(

そのため、認知症が発症した後の生前贈与は、なるべく早い段階で行うべきであると言えます。

※202411日以降に贈与される財産は、段階的に7年まで延長されます

まとめ

認知症を発症した後の生前贈与は、通常の生前贈与よりもハードルが高くなります。

早めの行動を意識して、贈与を進めましょう。

時間がない中で生前贈与を行うのは難しい面もあるので、不安な方は税理士に相談してみてください。

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美藤 直人(びとう なおひと) / 公認会計士・税理士

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