【税理士が解説】配偶者居住権で相続税の節税はできるか

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【税理士が解説】配偶者居住権で相続税の節税はできるか

相続発生後に配偶者が自宅に住み続けられるようにする制度として「配偶者居住権」があります。

相続後も配偶者が安心して暮らせる仕組みですが、相続税の計算にも影響します。

本記事では、配偶者居住権が相続税にどのような影響を与えるのか、節税効果の有無を含めて紹介します。

配偶者居住権とは?

配偶者居住権とは、相続後も配偶者が自宅に住み続けられるようにする制度です。

今回は先に夫が死亡した場合を例に出しますが、近年は高齢化により、夫の死後、妻が長期間ひとりで生活するケースが増え、生活資金を十分に確保する必要性が高まっています。

そのため、妻が金融資産を中心に相続し、子どもが自宅の所有権を引き継ぐ分割方法が選ばれることも増えました。

配偶者居住権を利用すれば、自宅の所有権を子どもに移しても妻はそのまま住み続けることができます。

配偶者居住権の評価方法

相続税の計算では、自宅の価値を「所有権」と「配偶者居住権」に分けて評価します。

居住権の評価額は建物の残存耐用年数や配偶者の年齢・平均余命などに基づき算出され、配偶者が若いほど評価額は高くなります。

配偶者居住権で節税はできるのか

ここからは、配偶者居住権によって節税は可能なのかをみていきます。

節税になるケース

配偶者居住権の評価は通常より低くなることがあり、自宅を丸ごと相続する場合より相続税が軽減されるケースがあります。

さらに重要なのは妻が亡くなると配偶者居住権は法律上消滅し、二次相続では課税対象とならないという点です。

つまり、妻が亡くなった後、子どもは配偶者居住権を設定した部分について追加の相続税を負担することなく自宅を取得できるようになります。

節税にならないケースもある

配偶者居住権は必ずしも節税につながるとは限りません。

自宅には土地の評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」があり、この適用状況によって一次相続と二次相続の有利・不利が大きく変わるためです。

たとえば、一次相続で子どもが自宅を相続するときに特例が使える場合、配偶者居住権を利用すると不利になる場合もあります。

配偶者居住権の節税効果は小規模宅地等の特例が利用できるかどうかによって大きく左右されるため、事前のシミュレーションが不可欠です。

まとめ

配偶者居住権は配偶者の住まいを守りながら、相続税の負担を抑える可能性がある制度です。

ただし、小規模宅地等の特例の適用可否や家庭の資産状況などによって効果は変わるため、事前のシミュレーションが非常に重要です。

相続税の節税についてお悩みの場合は、お気軽に当事務所までご相談ください。

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美藤 直人(びとう なおひと) / 公認会計士・税理士

大手監査法人での豊富な実務経験と、企業支援・相続・事業承継まで幅広い支援実績を持つ公認会計士・税理士です。
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私は1991年に公認会計士試験(旧第2次試験)に合格後、大手監査法人に勤務していましたが、2011年に税理士登録して当事務所を設立し、企業・個人事業者であるお客さまに対してご事業の発展をサポートするアドバイザー‘軍師’であり続けたいと考えて業務を行ってきました。

物価や金利の変動など経済環境が大きく変化する今、経営にはこれまで以上に柔軟な判断と確かな戦略が求められています。公認会計士・税理士として、経営者の皆さまの意思決定を支え、安心して事業を発展させていけるように全力でサポートすることが、私の真の仕事であると考えています。また、『史記』(中国前漢の武帝の時代の歴史書)に「計は会なり」という言葉が初めて表れたのが「会計」という言葉の始まりだと言われています。この「計は会なり」は「各方面の現場の真実を正しく報告すれば、ビジネスの価値が増大する」という意味であり、私が公認会計士・税理士として「会計」のお手伝いをすることが、お客さまのご事業の発展に通じることになります。

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