美藤公認会計士・税理士事務所 > 相続対策 > 親子間で不動産を生前贈与するメリットや注意点について解説

親子間で不動産を生前贈与するメリットや注意点について解説

親子間で避けて通ることのできない相続。

特に不動産の相続はトラブルになることが多く、長く暮らしてきた家を手放さなくてはならないこともあります。

生前贈与という制度はどのような制度で、どんなメリットがあるのでしょうか。

本稿で相続との違いや利用する際の注意点などを解説します。

不動産の生前贈与とは?

親子間であっても不動産の名義を親から子へ変更すると、その不動産は贈与されたことになります。

これを生前贈与と言い、贈与税の対象となります。

贈与税は相続税よりも税率が高いため、不動産のような高額な財産の贈与は慎重に行わなければなりません。

生前贈与の方法とそのメリット・デメリットを理解したうえで、検討する必要があります。

生前贈与の方法

生前贈与をすると通常は贈与税がかかりますが、贈与税を非課税にすることもできます。

その方法に相続時精算課税制度があります。

相続時精算課税制度の適用要件について

相続時精算課税制度の贈与者と受贈者の適用要件は次の通りです。

 

・贈与者は贈与した年の11日において60歳以上の父母または祖父母

・受贈者は贈与を受けた年の11日において18歳以上の推定相続人である子、または孫

 

贈与を受けた年の21日から315日の期間に「相続時精算課税制度」の届け出を提出する必要があります。

相続時精算課税制度とは

この相続時精算課税制度を利用すれば、2,500万円までは非課税です。

贈与者が亡くなった時、贈与財産の贈与した時の価値と相続財産を合算して相続税を計算し納税します。

年間110万円の基礎控除

20241月より、年間110万円の基礎控除が創設されました。

この110万円については特別控除の2,500万円とは対象外となるので、相続財産に加算されることはありません。

 

計算式

1年間の贈与額-ー年間110万円の基礎控除=累計額ー2,500万円の特別控除)×20

暦年贈与との併用は不可

相続時精算課税制度を利用すると、暦年課税制度は利用することはできなくなります。

暦年贈与とは年間110万円の贈与税が非課税となる制度です。

生前贈与のメリット・デメリット

生前贈与について考えるとき、それぞれ状況は違いますしよく検討する必要があります。

生前贈与のメリットとデメリットをあげてみました。

生前贈与のメリット

生前贈与のメリットとして以下のようなものが挙げられます。

 

  • 効果的な節税が見込める
  • 遺産の受け渡しに余裕がある
  • 相続人が生存しているため、トラブルに回避につながる

 

生前贈与の最大のメリットは、相続人が生存していることです。

何かあっても相談や確認がすぐにできることは大きなメリットとなります。

節税の対象であれば、相続よりもお得でスムーズな財産分与が期待できます。

生前贈与のデメリット

生前贈与のデメリットは以下の通りです。

 

  • 不動産の贈与は、課税対象となる
  • 税務署の認定が受けにくい
  • 相続税に比べて税率は高い

 

贈与は相続よりも税率が高いので、節税対策の制度が利用できない場合には、かなりの税額を負担することになる可能性があります。

しっかりと確認しておかないと、とんでもない金額の税金がかかってしまうので注意が必要です。

生前贈与で準備しておくこと

生前贈与を考えるにあたって、はじめに準備しておかなければいけないことは、不動産の価値が今現在どのくらいかということです。

不動産の価値によって節税対策の制度がどれで、どう利用するのがいいのかが明確になります。

まとめ

不動産の相続税は不動産の価値によって決まるので、相続人の手元に現金がなくても算出されてしまいます。

住み慣れた我が家を手放すのは悩ましいところです。

生前贈与なら相続人とともに意思を確認しながら、財産分与を進められるメリットがあります。

ただ贈与税は、税金が相続税よりさらに高いのが問題です。

生前贈与のメリット・デメリットを鑑みてそれぞれよくご検討ください。

よく検索されるキーワードMain Business

代表者の紹介

美藤直人税理士

公認会計士
税 理 士
美藤 直人

BITO Naohito

皆さまの『良き経営アドバイザー(軍師)』を目指して

ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
公認会計士・税理士の美藤直人(びとうなおひと)と申します。
私は1991年に公認会計士試験(旧第2次試験)に合格後、大手監査法人に勤務していましたが、2011年に税理士登録して当事務所を設立し、企業・個人事業者であるお客さまに対してご事業の発展をサポートするアドバイザー‘軍師’であり続けたいと考えて業務を行ってきました。

日本はバブル経済の崩壊後、厳しい経営環境にありますが、このような状況下において、経営者の皆様のご事業のサポートをするのが、私の真の仕事であると考えています。
また、『史記』(中国前漢の武帝の時代の歴史書)に「計は会なり」という言葉が初めて表れたのが「会計」という言葉の始まりだと言われています。この「計は会なり」は「各方面の現場の真実を正しく報告すれば、ビジネスの価値が増大する」という意味であり、私が公認会計士・税理士として「会計」のお手伝いをすることが、お客さまのご事業の発展に通じることになります。

したがって、お客さまのご事業が発展し、私も成長できたと認識できたときは、心の底から喜びを感じる次第です。 もちろん、企業・個人事業者及び個人の納税者であるお客様には、法令のルールに即した節税のアドバイスもさせていただきます。
今までの実務経験を活かしながら、「お客さまとともに成長する」ことを大切にし、起業支援、個人事業者の法人成り、創業融資、補助金の申請、税務申告(法人税、所得税、消費税、相続税など)、事業承継、事業再生、事業計画の作成支援、M&Aの買収調査まで幅広くお手伝いをしています。
お気軽にご相談ください。

経歴

  • 1968年 8月
    大阪府豊中市生まれ
  • 1987年 3月
    大阪府立豊中高等学校 卒業
  • 1991年10月
    公認会計士第2次試験に合格 会計士補登録
  • 1992年 3月
    同志社大学経済学部 卒業
  • 1992年 4月
    監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)に入社
  • 1995年 3月
    公認会計士第3次試験に合格 公認会計士登録(登録番号12473)
  • 1998年 2月
    Deloitte & Toucheアナーバー事務所(米国ミシガン州)に2ヵ月間の短期派遣
  • 1999年 1月
    監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)のコンサルティング部門を兼務
  • 2001年 4月
    監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)のベンチャーサポート部門を兼務
  • 2005年10月
    金融庁に一般職の任期付常勤職員として勤務
  • 2007年10月
    監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)に復職
  • 2011年 9月
    有限責任監査法人トーマツを退職
  • 2011年10月
    美藤公認会計士事務所を開設
  • 2011年12月
    税理士登録(登録番号120080)、美藤税理士事務所を開設
  • 2012年 7月
    株式会社コンステックホールディングス社外取締役に就任(2019年7月まで)
  • 2013年 7月
    中小企業経営力強化支援法(現在の「中小企業等経営強化法」)に基づく経営革新等支援機関に認定
  • 2013年12月
    大阪府中小企業再生支援協議会(現 大阪府中小企業活性化協議会) 外部専門家に登録
  • 2015年 6月
    サンセイ株式会社(東証2部、現スタンダード)社外取締役に就任(現任)
  • 2018年 1月
    監査法人ラットランド社員(パートナー)に就任(現任)
  • 2019年 7月
    株式会社コンステックホールディングス非常勤監査役に就任(現任)

セミナー講師等の実績

  • 近畿財務局主催:コロナ禍における企業支援の在り方・手法ゼミ(2021年10月、11月、2022年10月、11月)
  • 日本弁理士会関西会、日本公認会計士協会近畿会、大阪弁護士会共催:大学生応援セミナー ~弁理士、公認会計士、弁護士による職業紹介~(2021年2月)
  • 大阪信用保証協会主催:事業承継セミナー ~経営者から見た会計の重要性(企業会計 税務会計 管理会計)~(2017年10月)
  • 一般社団法人大阪銀行協会主催:事業承継セミナー ~事業承継のためのM&A、従業員持株会及び種類株式の有効活用~(2017年9月)
  • 大阪大学基礎工学研究科主催:科学者のための財務、法務、知財の基礎 ~実務家の視点から~(2016年7月)
  • 関西大学社会連携部知財センター主催:弁護士・公認会計士・弁理士による実務家講座(2015年11月、2016年11月)
  • 日本公認会計士協会近畿会、大阪府不動産鑑定士協会共催:企業評価と事業用不動産の鑑定評価(2015年7月)
  • 日本公認会計士協会近畿会、大阪弁護士会、日本弁理士会近畿支部共催:公認会計士の業務及びベンチャー支援(2014年1月、9月)
  • 一般事業会社の社内研修:消費税と適格請求書等保存方式~インボイス制度~(2023年7月)、経営戦略、中期経営計画、取締役の義務と責任、決算書の見方(2013年2月、2019年7月)、国際財務報告基準(IFRS)(2010年)
  • 八日市商工会議所主催:若手経営者のための決算書の見方、財務分析及び資金調達(2012年10月)
  • 大阪証券取引所主催:ヘラクレスクラブ勉強会 ~内部管理制度・内部監査~(2003年7月)
  • その他:株式上場セミナー(2003年9月、2004年2月、2004年8月、2005年1月)、IPOの成功例と失敗例(2003年4月)、ビジネスプランの作り方(2001年9月、2002年2月)、ディスクロージャー実務者養成セミナー(2003年9月)、ビジネスプラン作成講座(2001年7月)など

事務所概要Office Overview

名称 美藤公認会計士・税理士事務所
所在地 〒530-0041 大阪市北区天神橋2丁目北1番21号 八千代ビル東館3階B号室
大阪メトロ南森町駅・JR大阪天満宮駅の3番出口を出て天神橋筋商店街を北に120m
1つ目の小さな十字路を右折して40m先の右側のビル(1階に皮膚科と調剤薬局があります)
TEL TEL:06-4800-8410
代表者 美藤 直人(びとう なおひと)
対応時間 平日 9:00~18:00
定休日 土曜・日曜・祝日※事前にご連絡いただければ、休日も対応します。
内観写真
美藤公認会計士・税理士事務所の公式ブログはこちら