【税理士が解説】二次相続を考慮した相続税対策のポイント
二次相続とは、最初の相続(一次相続)で配偶者が遺産を相続し、次にその遺産を相続した配偶者が死亡したときに子が相続することを指します。
節税を考えた場合、一次相続の段階で二次相続の相続税対策をしておくべきです。
本記事では、二次相続を考慮した相続税対策のポイントを解説します。
一次相続の遺産分割前から始める
二次相続を考慮したとき、まず一次相続の遺産分割前から相続税対策を始めるのが望ましいです。
一次相続の遺産分割で配偶者の税額軽減を最大限活用すると、配偶者に多くの財産が相続されます。
しかし二次相続では、親から子への相続であり配偶者の税額軽減の適用ができず、結果的に一次相続よりも相続税が高くなってしまいます。
一次相続だけを考えて配偶者に多くの遺産を相続させることだけが、節税対策になるとは限らないため、計画的な対策が必要です。
一次相続時の配偶者への相続は最小限に
一次相続で配偶者に大量の資産を相続させると、二次相続の税負担が増加するため、一次相続での配偶者への相続は最小限にすることが重要です。
代表的な対策は以下の通りです。
- 一次相続で子が実家を相続する
- 収益が見込まれる物件は一次相続で子が相続する
しかし、二次相続のためであったとしても、配偶者の住居・生活費に配慮する必要があります。
生前贈与を計画的に行う
子に生前贈与を行えば、相続税の対象となる財産を減らせます。
生前贈与では原則贈与税がかかりますが、年間110万円以下は非課税です。
しかし贈与税が、暦年課税制度と相続時精算課税制度の選択制であることはあまり知られていません。
暦年課税制度の場合、贈与者死亡までの7年以内に生前贈与された財産は、相続税の課税対象になります。
さらに相続時精算課税制度の場合は、贈与者が死亡した際に贈与した価格が相続税の課税対象となります。
将来的に値上がりが見込まれる財産を贈与するのに適した制度です。
いずれにしても事前のシミュレーションは必要不可欠でしょう。
生命保険を上手に使う
次の対策は、子を死亡保険金受取人にした生命保険に加入することです。
生命保険金の非課税枠は「500万円×法定相続人の数」が適用される上、相続人は現金を手に入れられるため相続時の納税資金としての活用も可能です。
まとめ
相続計画は家族ごとに大きく異なります。
遺された配偶者や家族の生活と資産を守るためにも、入念な事前準備が必要です。
どの対策を行うか独自での判断が不安な方は、相続税に詳しい税理士に相談してみてください。
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美藤 直人(びとう なおひと) / 公認会計士・税理士
大手監査法人での豊富な実務経験と、企業支援・相続・事業承継まで幅広い支援実績を持つ公認会計士・税理士です。
金融庁勤務や上場企業の社外役員など、多角的な視点で経営をサポートしています。
皆さまの『良き経営アドバイザー(軍師)』を目指して
ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
公認会計士・税理士の美藤直人(びとうなおひと)と申します。
私は1991年に公認会計士試験(旧第2次試験)に合格後、大手監査法人に勤務していましたが、2011年に税理士登録して当事務所を設立し、企業・個人事業者であるお客さまに対してご事業の発展をサポートするアドバイザー‘軍師’であり続けたいと考えて業務を行ってきました。
物価や金利の変動など経済環境が大きく変化する今、経営にはこれまで以上に柔軟な判断と確かな戦略が求められています。公認会計士・税理士として、経営者の皆さまの意思決定を支え、安心して事業を発展させていけるように全力でサポートすることが、私の真の仕事であると考えています。また、『史記』(中国前漢の武帝の時代の歴史書)に「計は会なり」という言葉が初めて表れたのが「会計」という言葉の始まりだと言われています。この「計は会なり」は「各方面の現場の真実を正しく報告すれば、ビジネスの価値が増大する」という意味であり、私が公認会計士・税理士として「会計」のお手伝いをすることが、お客さまのご事業の発展に通じることになります。
お客様の発展を自分の喜びとし、信頼される‘軍師’として法令に基づいた節税と経営サポートを行ってまいります。
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