個人事業主から法人に成るメリットとデメリットを紹介

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個人事業主から法人に成るメリットとデメリットを紹介

法人であることを要件とする特定の事業を除いて、多くの事業活動は個人事業主としてでも、法人としてでも行うことができます。事業主体別にメリットとデメリットがあるのですが、利益が増えてくると個人事業主から法人化するケースがよく見られます。

これには法人特有のメリットが関係しています。そこで、法人に成ることのメリットとデメリットを解説していきますので、そのバランスを考慮して法人成りすべきかどうか判断すると良いでしょう。

個人事業主から法人に成るメリット

個人事業主から法人に成ることには、次のように多くのメリットがあります。

 

税負担が抑えられる

個人事業主の場合、超過累進課税制度を採用した所得税が課税され、所得が増えるほど適用される税率も高くなる。

一方、法人の所得については法人税が課税される。法人税の税率は所得規模に応じて決まっており、所得が大きな場合、個人事業主より税負担を抑えることができる。

・所得税の税率:5%~45

・法人税の税率:15%~23.2

取引先や金融機関からの信用が得やすい

傾向として、個人事業主より法人の方が社会的信用度は高く評価されやすい。

取引先や金融機関から信頼されやすくなることで、規模の大きな契約、規模の大きな資金調達もしやすくなる。

退職金や生命保険料など経費計上できる範囲が広い

法人の場合、個人事業主に比べて経費計上できる幅が広く、その点における節税効果を高めやすい。

例えば、個人事業主の場合だと退職金の概念がなく、必要経費として扱うことができない。また、生命保険料についても個人事業主は必要経費に計上できないが、法人は保険料を費用に計上できるケースがある。

決算期を自由に決められる

個人事業主は1月~12月までの1年間が事業年度として計算され、所得税の申告時期も画一的である。

法人は事業年度を自由に決めることができ、「4月~翌年3月の1年間」とすることも「7月~翌年6月の1年間」とすることもできる。事業内容と照らし合わし、繁忙期を避けて決算期を決めることができる。

赤字を10年間繰り越すことができる

個人事業主でも赤字を繰り越すことは可能だが、3年間が限度となる。

法人は赤字を10年間繰り越すことができ、長く、将来の黒字と過去の赤字を相殺することができる。事業の安定性を確保しやすくなり、資金繰りの改善にもつながる。ただし、青色申告をしていることなど、いくつか要件を満たす必要がある。

組織の規模を大きくしやすい

意思決定の権限を持つ複数の従業員を雇用したいときには法人の方が適している。個人事業主も従業員を雇用することはできるが、基本的にはワンマン的な経営スタイルになる。

法人は1人会社とすることもできるほか、大勢で構成される組織の運営にも向いている。また、社会的信用度が高いことから人材獲得もしやすい。

 

法人になるだけで常にこれらの恩恵を受けられるわけではないことに注意しましょう。所得税と法人税の比較、適切な経理事務などが重要であり、場合によっては個人事業主のままでいた方が良いというケースもあります。

個人事業主から法人に成るデメリット

法人化を検討する際は、法人化によるデメリットにも目を向けなくてはなりません。メリットとデメリットの双方を理解することで初めて具体的な検討ができるようになります。

 

次のデメリットについては押さえておきましょう。

 

設立費用が大きい

個人事業主になるだけならタダだが、法人を設立するには費用が発生する。通常、数十万円以上は必要。

・定款の認証手数料(株式会社の場合)

・資本金の出資

・登記手数料 など

設立手続が大変

個人事業主になるときの最低限必要な手続は「開業届の提出」である。書類を1つ作成して税務署に提出するだけで完了する。

法人化するなら、(株式会社の場合)発起人として定款をまずは作成し、公証人にその内容をチェックしてもらい、株式を割り当てて出資を履行、商業登記の申請もする。法令を遵守して適式に進めなければ法人として有効に設立できないため、手続面でも負担が大きい。

赤字でも税負担がかかる

個人事業主は利益ゼロだと所得税がゼロとなり、住民税なども負担がゼロになる。一方、法人の場合は住民税均等割が常に発生し、赤字でも税金を納める必要がある。

また、利益が小さいうちは所得税の負担も小さいが、法人税だと固定の税率が適用されるため、比較的税負担が重くなってしまう。

税務が複雑になる

個人事業主に必要な税務より法人に必要な税務の方が複雑になる。

法人の機関設計や規模の大きさによってはさらに複雑となり、上場しているとより厳格な処理が必要となる。税務の手間が大きくなることに伴い、経理担当の雇用や顧問税理士との契約などにかかるコストも増大する。

労務の負担がかかる

法人となり従業員を雇用すると社会保険への加入も義務となり、労務の負担が発生する。

また、社会保険料については従業員と折半することになり、費用の半分を負担しないといけない。従業員の雇用や退職があるたびに加入等の手続が発生する。

 

法人の方が事務作業全般の負担は重くなりますので、それを受け入れてでも法人化すべきかどうかをよく考えましょう。

法人化に適したタイミングとは

現在、個人事業主としてごく小規模の事業を行っており、今後、事業を大幅に拡大していく予定も従業員を増やす予定もないのであれば、一概に法人化をすべきとはいえません。一方で、次のような場合は法人化を考えてみると良いでしょう。

 

  • 業績が好調で税負担が大きくなり始めたとき
  • 多額の資金調達をしたいとき
  • 従業員又は経営者を増やしたいとき
  • 事業拡大の計画があるとき

 

個人事業主と法人は簡単に切り替えられるものでもありませんので、慎重な検討が必要です。特に節税効果に関しては税の計算が必要となるため、税理士にも協力してもらいましょう。

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美藤 直人(びとう なおひと) / 公認会計士・税理士

大手監査法人での豊富な実務経験と、企業支援・相続・事業承継まで幅広い支援実績を持つ公認会計士・税理士です。
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ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
公認会計士・税理士の美藤直人(びとうなおひと)と申します。

私は1991年に公認会計士試験(旧第2次試験)に合格後、大手監査法人に勤務していましたが、2011年に税理士登録して当事務所を設立し、企業・個人事業者であるお客さまに対してご事業の発展をサポートするアドバイザー‘軍師’であり続けたいと考えて業務を行ってきました。

物価や金利の変動など経済環境が大きく変化する今、経営にはこれまで以上に柔軟な判断と確かな戦略が求められています。公認会計士・税理士として、経営者の皆さまの意思決定を支え、安心して事業を発展させていけるように全力でサポートすることが、私の真の仕事であると考えています。また、『史記』(中国前漢の武帝の時代の歴史書)に「計は会なり」という言葉が初めて表れたのが「会計」という言葉の始まりだと言われています。この「計は会なり」は「各方面の現場の真実を正しく報告すれば、ビジネスの価値が増大する」という意味であり、私が公認会計士・税理士として「会計」のお手伝いをすることが、お客さまのご事業の発展に通じることになります。

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